女性にとって人生の中でも非常に大きなイベントである、妊娠・出産。
大仕事を終えたにも関わらず、産後はほっと一息つく間もありません!
母体の体調も万全ではない中、気づけばオムツ替えや授乳に寝かしつけ、待ったなしで育児がスタートします。
新米お母さんにとっては何をするにも初めてのことばかり。
戸惑いの連続の中、デリケートな赤ちゃんのお世話には神経を使いますよね。
育児による身体的な疲労に加え、思い通りにいかないことに対してイライラしたり気分が落ち込んだりと、精神的にも不安定になりがちです。
イライラや気分の落ち込みが激しく、ずっと続く場合、もしかするとそれは『産後うつ』かもしれません。
今回は産後うつの症状や原因、解消方法などを紹介します。
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目次
産後うつとは
産後うつとは、その名前のとおり≪産後に現れるうつ症状≫を意味します。
産後うつは、妊娠・出産による生活環境の変化やホルモンバランスの乱れ、育児へのプレッシャーや不安などからくる精神障害の一種です。
育児の悩みを周りに相談できずに1人で抱え込んだり、「家事も育児も完璧にこなさなければ」と必要以上に肩に力が入るなど、責任感の強い方が産後うつにかかりやすいとされています。
産後うつの症状
以下のような症状が産後うつの典型的な症状として挙げられます。
これら症状の多くの項目に心当たりがある場合は、お近くの保険センターや、心療内科・精神科のある病院で相談をするようにしましょう。
タイミングが合えば、1か月検診のときに医師に相談してみるのも1つの方法です。
・何事も自分が悪いと考えてしまいがち
・気分が落ち込んで涙もろくなる
・食欲不振
・訳もなくイライラして落ち着かない
・寝つきが悪かったり、逆に眠りすぎてしまう
・漠然と不安になり、何事にも希望が持てない
・赤ちゃんや夫、周りの家族に訳もなくあたってしまう。
・頭痛や動悸、肩こりがひどい
・強い疲労感
・興味や関心、喜び等の感情がなくなる
症状がひどい時には自殺願望まで出てくることがあります。
「もしかしたら?」と思ったら、躊躇せずすぐに周囲の人に相談をしてください。
産後うつの原因
出産後の母体は、『産褥期』と呼ばれる妊娠前の状態に戻ろうとする期間に入ります。
そのためホルモンバランスが大いに変化し、心身とも不安定になりがちです。
ホルモンバランスの変化以外に考えられる原因としては・・・
・育児に対する不安
・子どもが最優先になる事で起こる夫婦関係の悪化
・周囲のサポートが必要な育児期に思うように協力が得られない、また相談する相手がいない
これらの事がストレスとなり、産後うつの発症につながっていきます。
その割合は、産後の女性のなんと5%から10%にものぼります。
特に几帳面で責任感が強い性格の方や、比較的人生経験値の浅い年齢の若い方や初産婦の方は産後うつの発症率が高いようです。
産後うつ期間
産後うつになる時期や期間の長さには個人差がありますが、産後2~4週間頃の発症時期が多く、環境によっては1~3カ月が過ぎてから発症するという方もいます。
産後2~3日後から、一時的に起こる「マタニティブルーズ症候群」の症状が見られるお母さんが多くいます。
一般的に、涙もろくなったり自信を無くしてしまう「マタニティブルーズ症候群」は、数週間で治まることがほとんどです。
しかし、育児疲れや周囲のサポートが受けられない孤独感、家事と子育てをうまく両立できない事への罪悪感などが加わり、症状が長引くことで産後うつを発症していきます。
重症化した場合には、症状が治るまでに1年かかるという事もあるため、おかしいと感じたら早めに受診するようにしましょう。
物事には終わりがあります。
いつまでもこのつらい状況が続くわけではないと前向きに捉え、心穏やかに過ごせるといいですね。
こちらの動画では、産後に悩むお母さんたちの声が、リアルに紹介されています。
お時間がある方はチェックしてみてください。↓↓↓
産後うつの解消方法
家事や育児に必死で、気づかないうちに産後うつを発症していた、というお母さんが多くいます。
産後うつになってしまった時に、どのように対策をすればよいのでしょうか。
気を付けるべきポイントを下記にまとめてみました。
休養・睡眠
しっかりと睡眠をとりましょう。
新生児はまだ昼夜の区別がつかず、睡眠のサイクルも安定しません。
そのため赤ちゃんが夜寝てくれなかったり、2-3時間おきに授乳・ミルクを与えなくてはならなかったりと、お母さんも急激な生活リズムの変化にうまく対応できず睡眠不足に陥ってしまいがちです。
また、赤ちゃんが寝ている間に家事を済ませておきたいと思うこともあるでしょう。
しかし睡眠不足になると精神が不安定になりやすいので、できる限り赤ちゃんと一緒に寝て、日中にも睡眠時間を確保するように心がけましょう。
お母さんを休ませるために、休みの日には旦那さんが育児を率先してやるなど、夫婦間の協力も不可欠です。
人に話を聞いてもらう
産後うつにかかる方の中には「こんな事を聞いてもらうのは申し訳ない」と、育児に対するつらさや不安や責任を1人で抱えてしまう人がいます。
しかし、小さなストレスの蓄積が確実にお母さんの心と身体をむしばんでいきます。
育児の大変さや不安、お母さんの心の状況などを、信頼できる周囲の人にこまめに聞いてもらうようにしましょう。
それだけですっきりした気分になり、精神的に安定することだってあります。
産後うつを発症してしまったいざという時に助けてもらうために、出産前から旦那さんや友人、周囲の人との信頼関係を深めておくことが大切ですね。
心療内科・精神科へ受診する
症状が軽ければ、カウンセリングで悩みを聞いてもらうことで改善されていく事もよくあります。
症状によっては、抗うつ剤や精神安定剤などが処方されることもあるので、医師と十分に相談し指示に従うようにしましょう。
産後うつの治療と症状の改善には、周囲の理解が必要不可欠のため、旦那さんやご家族の方と一緒に受診することをお勧めします。
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産後うつの奥さんに対する旦那さんの正しい接し方
産後うつの奥さんに対して、『毎日24時間目が離せない赤ちゃんのお世話を頑張っている』という奥さんの状況をしっかりと意識して接することが大切です。
その意識をベースに、下記のポイントにも気を付けながら奥さんと接してみてください。
- 育児は2人で(家族で)やるものだと認識
働いているとついつい育児を奥さんに任せきりになりがちですが、授乳以外のオムツ替えやミルク、沐浴はすべてお父さんにもできることです。
早く帰宅をして育児や家事を分担したり、休みの日は奥さんを休ませてあげるなど、旦那さんも積極的に育児に参加しましょう。
仕事で疲れていると思いますが、奥さんも慣れない育児で疲れている事を忘れないでください。
日常生活において、奥さんをサポートしていく意思があることを伝えると、奥さんが安心でき、心に余裕が出やすくなります。
- 励ましや、焦らせる言葉は厳禁
産後うつ状態にある方は、些細なことがきっかけで衝動的な行動をとってしまう危険性があります。
奥さんはすでに育児を十分に頑張っているのですから、『頑張って』などの励ましや焦らせるような言葉はストレスとなるので十分に注意し、なるべく安心感を与える言葉をかけるようにしてください。
- 寛容に受け止める
奥さんが些細なことで神経質になってしまう状態であるという事をしっかりと理解しましょう。
せっかく勇気を出して相談しても、一番身近な旦那さんから理解されないと、孤独感が強まり産後うつを深刻化させてしまいます。
奥さんがどんな状態であれ、寛容に受け止め、理解しようとする姿勢が大切です。
まとめ
子どもが産まれると、親としての責任感がうまれます。
子どもをしっかりと育てたいと思うことは素晴らしいことですが、育児は思い通りにいかないことのほうが断然多いのです。
完ぺきにできなくても、思いつめたり自分を責めたりせず、肩の力を抜くようにしましょう。
環境の変化が重なると、誰でも産後うつを発症する可能性があります。
産まれたての赤ちゃんが1人で生きていけないのと同様に、お母さんも母親になったばかりなのですから、周囲のサポートは絶対に必要です。
1人で抱え込まず、母親として「赤ちゃんと一緒に成長していこう」とおおらかな気持ちで育児に取り組めると良いですね。
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